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2015.4.3

イベント

JSAA特別セミナー『スポーツアナリティクスの最前線 -オーストラリア&日本の視点より-』が開催されました!

4月3日(金)、都内にてJSAA特別セミナー『スポーツアナリティクスの最前線 -オーストラリア&日本の視点より-』が開催されました!

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初の開催となった特別セミナーは、JSAA会員及びスポーツアナリストとして従事する方々を対象に行われました。今回は様々な競技で導入されている分析ツールソフト『SportsCode』を扱うフィットネスアポロ社主催のSports Codeユーザーカンファレンスのため来日したオーストラリアSportstech本社のMichael Conlan氏とラグビー日本代表アナリストとしての経験を持ちながら、現在はbjリーグ・エヴェッサ大阪にてアナリストとしてご活躍中の前田祐樹氏のお二方をお迎えし、アナリストという職業の役割、そしてSportsCodeが果たす機能をお話ししていただきました。

 

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オーストラリアでのスポーツアナリスト事例について語ったMichael Conlan氏

 

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ラグビーとバスケでのスポーツアナリスト事例について語った前田祐樹氏

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特別セミナーということで限定された場ではありましたが、オーストラリアンフットボールやラグビーでの分析にも精通した海外からの講師もお招きするとあって、今回も50名の席があっという間に埋まってしまいました。集まった方々のほとんどはスポーツアナリストを志す方、スポーツアナリストとして現場で活躍している方々とあって、内容も聴講者たちにフィットし、質疑応答でも良い意見交換が出来ていました。

 


 

 

SONY DSCConlan氏によれば、日本ではもちろんですがオーストラリアにおいてもスポーツアナリストという存在はまだまだ新しく、活動を始めた2000年当初はITサポートやゲームの撮影ということを担う存在だったとのこと。それがテクノロジーの進化とともに、こなす業務内容も変わりデータ分析から戦略立案におけるエキスパートとしてのスポーツアナリストという存在に徐々に変容していきました。SportsCodeではひとつひとつのプレーをタグ付けすることによって、必要に応じて映像の整理が出来るという利点があり、様々な競技で重宝されているようです。また様々な競技でリアルタイムでのデータ分析と共有がされていることも紹介され、今後スポーツアナリストの役割が更に細分化されて行くことも示唆されていました。

 

 

SONY DSC一方、日本国内でのSportsCodeユーザーでもあり、ラグビーからバスケへと競技をまたいでアナリストとして活躍する前田氏は、いかにしてSportsCodeを活用して意思決定者であるコーチ陣に蓄積されたデータを効果的に提示して行くか、という実例をお話いただきました。

ラグビーからバスケへ、という異色の経歴を持つ前田氏だからこそ、データから見える新たな切り口で強化に結びつけて行くアイデアが生まれます。統計学的に見て、効率的な攻撃パターンを見つけるという点では、競技は違えど応用できる点はあるようです。ラグビーで培ったノウハウをバスケでも応用しつつ、現在その可能性を模索しているようです。

 

 

スポーツアナリストの職域はまだまだ確立しているとは言えません。しかし、今回のセミナーで登壇された先駆者たちのように、あるツールを用いてそのノウハウを競技をまたいで活用し、そして成果を上げて行くことによってスポーツアナリストの果たす役割が高まって行くのかもしれません。まだまだ未成熟な職域だからこそ、こうしたセミナーを通して、アナリストとしての知見を増やし、それぞれの現場で応用していってほしいと感じさせられました。

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