日本スポーツアナリスト協会が「トップリーグバスケットボールチームにおけるアナリストのニーズ調査」の結果を公表
一般社団法人日本スポーツアナリスト協会(代表理事:渡辺啓太、以下JSAA)は、2022年9月15日から10月15日の期間でBリーグ、Wリーグに所属するヘッドコーチ、アシスタントコーチ、GMなど、分析スタッフを採用・評価する立場の方を対象とした「トップリーグバスケットボールチームにおけるアナリストのニーズ調査」を実施しました。同調査に関する集計結果を公表致します。
約9割のチームが分析スタッフを配置
今回の調査は、日本のスポーツアナリティクスの発展に寄与するため、トップリーグバスケットボールチームのアナリスト(調査上は「分析スタッフ」と表現)の実態とニーズを把握することを目的として実施しました。Bリーグ、Wリーグに所属するヘッドコーチ、アシスタントコーチ、GMなど、分析スタッフを採用・評価する立場の方を対象に、Googleフォームを使用し、SNSなどを通じた機縁法にて実施しました。Bリーグ及びWリーグ全52チーム中18チームより回答を得ました。
そのうち分析スタッフが1名以上配置されているチームが88.9%(18チーム中16チーム)で2名以上配置されているケースも38.9%(18チーム中7チーム)ありました。一方で1名も配置されていないチームもありました。
また、分析スタッフが配置されているチームでは、その重要性が強く認識されていることもわかりました。
分析を専業とするスタッフより、コーチ系業務との兼務が多い
雇用形態の調査では、無期限の正社員として雇用されている分析スタッフはおらず、基本的に期限付きで契約を結び雇用されているケースが多いことがわかりました。一部、アルバイトやボランティアとして活動しているケースも見られます。
また、分析を専業とするスタッフは43.8%(16チーム中7チーム)であり、それ以上にコーチ系の業務との兼務しているケースが多いことがわかりました。
アナリストなどの呼称の他、「映像」に関わる言葉を含む肩書も
分析スタッフの肩書については、アナリスト、アシスタントコーチという呼称の他、ビデオ、フィルムといった「映像」に関わる言葉を含む表現も見られました。こうした呼称は業務やスキルに対して決まっているチームが43.8%(16チーム中7チーム)でチーム内の人材要件に基づいているケースが多いようです。
また、採用の際、候補者の専門スキルの評価、適切な給与水準の不明さ、人材の発掘・採用方法などが課題であることがわかりました。
今回の調査において、トップリーグバスケットボールチームにおけるアナリストのニーズに関して一端が明らかとなり、その現状と実態を知る上でJSAAとしても貴重な調査となりました。一方、機縁法による調査で回答数も限定的となったため、調査結果にはある程度の偏りが生じている可能性があります。そのため、JSAAは今後も、調査対象や手法を更に精査し、他競技でも継続的に調査を進めて参ります。調査によって得られた知見は、アナリストの育成に活用し、アスリート支援環境を発展させることで、スポーツの社会的価値向上に寄与していきます。
一般社団法人日本スポーツアナリスト協会 -「スポーツ現場における映像・データ収集および分析の現状と実像の調査」ダウンロードは以下より。
ダウンロード▶︎トップリーグバスケットボールにおけるアナリストのニーズ調査
調査概要
- 調査時期: 2022年9月15日~2022年10月15日
- 調査対象: Bリーグ、Wリーグに所属するヘッドコーチ、アシスタントコーチ、GMなど、分析スタッフを採用・評価する立場の方
- 調査主体: 一般社団法人 日本スポーツアナリスト協会 調査・研究委員会
- 調査方法: Googleフォームを使用し、 SNSなど通じた機縁法により対象者へ配布
- 回答数: 18件
調査・研究委員会: 下関 元、徐 広孝、鈴江 智彦、高林 諒一、千葉 洋平、永野 智久、橋場 智子、久永 啓、廣澤 聖士、渡辺 啓太
日本スポーツアナリスト協会(JSAA)について
日本スポーツアナリスト協会は、競技の枠組みを超えたスポーツアナリストの連携強化及び促進を図る団体として、2014 年 6 月に設立されました。スポーツアナリストの有する職 能を理解し、育むことで、アスリート支援環境を発展させ、スポーツの社会的価値向上に 寄与することを目的としています。ビッグデータの時代、スポーツ界にも必ず必要となる 有能なアナリスト人材の確保・育成にも取り組み、またスポーツアナリストとしての職域 拡大を目指します。
Website: http://jsaa.org
Twitter: @JSAAorg
Facebook: @jsaa2014
お問合せ: http://jsaa.org/contact