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2018.4.2

イベント

「MIT スローン・スポーツアナリティクスカンファレンス 2018報告会」開催レポート

2018年3月29日(木)、新丸の内ビルディング10階の「EGG JAPAN」コラボレーションスペースにて、JSAA OPEN SEMINAR Vol.7と丸の内スポーツラボVol.12(株式会社ユーフォリア主催)のコラボレーションイベント、「MIT スローン・スポーツアナリティクスカンファレンス 2018報告会」を開催しました。

毎年2月下旬~3月上旬に米国ボストンで行われている世界最大級のスポーツカンファレンスに参加した5名が登壇、現地で得たアナリティクスに関する世界の潮流や最新情報を共有しました。定員80名のチケットがわずか3日間で完売し、参加者の関心が非常に高いイベントとなりました。

まず冒頭、日本スポーツアナリスト協会理事の千葉洋平氏と株式会社ユーフォリア共同代表の宮田誠氏が、カンファレンスの全体像を説明しました。パネルディスカッションやプレゼンテーションだけでなく、学術的な研究発表やeスポーツの対戦、新しいデバイスの展示、学生の就職活動なども行われる多機能な場であることを紹介。昨年も出席した宮田氏からは、スポンサー企業の変遷やセッションの傾向の変化なども伝えられました。

次のパートでは、「競技現場、チーム運営のアナリティクス」について千葉氏が担当しました。カナダ水泳連盟の五輪代表選手選考におけるデータ活用など、現地での4つのセッションの要点を整理して紹介。フェンシング日本代表などのアナリストである千葉氏は、パフォーマンス向上ではなくドラフトなど戦力の補充にも使われている点、また日本の現場におけるアナリティクスとの比較も語っていました。

続くパートでは、株式会社ユーフォリア共同代表の橋口寛氏が、「コンディショニングとデバイス、テクノロジーの進化」をテーマに話しました。橋口氏も数年続けてボストンに行っており、語られる内容の変遷を説明。一つの研究に対して、リーグ(チーム)と企業と軍が連携している事例への驚きも語りました。

三つ目のパートでは日本スポーツアナリスト協会 広報委員の早川忠宏氏が「ファンエクスペリエンス」を担当。NFLミネソタ・バイキングの新スタジアム建設とアプリケーションに関するセッションを取り上げました。ファンの声を集め、それに応えるスタジアムを整えたこと。また、チケット機能やスタジアム案内、コンテンツ視聴などを一つのアプリ上で行うことで、ファンの行動を捕えられることなどを紹介しました。

 

最後のパートは、「大学生からみたMIT SSAC」というテーマで、筑波大学蹴球部でデータ分析を行うスコット・アトム 氏が語りました。ハッカソンや学術研究など米国の大学生の発表を中心に見て回ったそうで、日本での同様の場も知るスコット氏は、内容では日本の学生も劣っていないとの感想を話していました。また、現地では、サッカーのバルセロナのアナリストなどとも交流を深めるなど、積極的に活動した様子が伝わる内容でした。

会場の中には、他にも現地に行っていた方々がおり、登壇者の発表内容を補足するような別の観点を披露しました。約2時間ではカンファレンスについて語りつくせず、引き続き行われた懇親会も熱気あふれるものとなりました。当日の参加者は、スポーツ団体、大学、IT企業、データアナリティクス関連企業など幅広く、ボストンの現地さながらの業種を超えた交流が行われ、初めての試みとなるコラボレーションイベントは大盛況のうちに終わりました。

 

日本スポーツアナリスト協会としては、今後もOPEN SEMINARを通じて、アナリティクスを理解してもらうための活動を続けてまいります。今後の日本スポーツアナリスト協会の活動にご期待ください。