当協会として初の学生向けイベントとなる「JSAA スポーツアナリスト入門セミナー 」を、2018年7月30日(月)に東京都内で開催しました。
過去に当協会主催イベントに参加した学生からあがった「スポーツアナリストになるには、まずどうしたらいいのか」などの声をもとにした企画。これからスポーツアナリストになりたい、もしくはスポーツアナリストを始めたばかりだ、という学生を中心に16名が集まりました。高校生が1名、京都や仙台から駆け付けた学生、米国留学中の学生もおり、関わる競技はサッカーがやや多く、野球、アメリカンフットボール、ソフトボール、バレーボール、バスケットボール、フットサル、ラクロス、柔道と幅広いものでした。
応募の際に受講の動機や質問などを提出して選ばれた受講生たちは、約2時間、情報や知識、講師陣の経験談やアドバイスに熱心に耳を傾けていました。
個性あふれる受講生の自己紹介
席に着いた受講生がお互いに言葉を交わし、場も温かくなったところでセミナーが開始。フェンシングなどでアナリストを務める当協会の千葉洋平理事が、協会の活動の紹介やこのセミナー開催への経緯などを説明し、続いて、当協会の賛助会員であり、当セミナーの主旨に快く賛同下さったSAPジャパン株式会社の濱本秋紀氏よりご挨拶を頂きました。
16人が一人1分の割り当てで行った自己紹介は、個性にあふれたものでした。スポーツ歴、研究内容、自分の置かれている状況、切実な問題、受講しようと思った経緯などを素直に、時に熱く語り、一気に打ち解けた雰囲気となりました。
学生が主体的に活動する筑波大蹴球部
プレゼンテーションは2本。まず渡辺啓太当協会代表理事が、いかにしてバレーボールのアナリストになったのかという自らの経験やスポーツアナリストとしての基礎知識を語りました。
高校時代に興味を持ち、統計を紙に手書きしたり、エクセルシートを自作することから始めて、日本バレーボール協会に入った後は、日本のバレーボール界のアナリティクスをどのように進めていったのかなど、歴史を振り返る形で話しました。後半では、「スポーツアナリストとは何か」「アナリストの情報戦略活動」「アナリストに求められる能力、資質」「アナリスト活動スタート前のチェックポイント」など、これから始める人たちには欠かせない知識を説明しました。
次に、筑波大学蹴球部パフォーマンス局データ班でアナリストとして活躍するスコット・アトム氏が、「大学生チームのスポーツアナリティクス」をテーマに受講生に近い立場から説明。パフォーマンス局の体制やどのように分析を行っているのかを解説し、さらに個々のメンバーが主体的に取り組んでいること、大学での学びや教員の協力なども交えながら活動していることも加えて話しました。
グループセッションで活発な質疑応答
1時間余りを過ぎたところで、セミナーはQ&Aのコーナーに。受講生から事前にもらった質問の中から、多くの声があった「実践の場を持つには?」「スポーツアナリストと接点を持つには?」「将来、スポーツアナリストを職業とするには?」を取り上げ、講師陣が自らの経験を交えてアドバイスしました。
その後、受講生をできるだけ自分と同じもしくは近い競技に携わっている講師と話せるように4~6人ずつ3グループに分け、個々の質問を基に、活発な話し合いが行われました。最後に挨拶に立った渡辺代表理事は初の学生向けイベントを終え「今日は出発点となる第一回。どういう課題を感じているのかなどを皆さんから我々が勉強する場でもありました。これから、勉強したいな、アナリストになりたいなという人に、自分たちの経験を生かして、教材や学べる場をつくっていきたい」と話しました。
同会場で交流会も開き、講師にさらに質問するだけでなく、受講生同士がお互いの悩みを話したり、連絡先を交換する姿もあり、最後まで熱気に包まれていました。