日本スポーツアナリスト協会(JSAA)は2019年1月26日(土)にSAJ2019-スポーツアナリティクスジャパン2019-を開催します。SAJはJSAAの年次カンファレンスとして2014年に産声を上げ、SAJ2019で5回目を迎えます。
そこで今回はJSAAの理事に過去4回を振り返りながらSAJの魅力を語ってもらいました。第1回は、全日本女子バレーボールチーム情報戦略担当チーフアナリストとして最前線に立ってきた経験を生かしながら、JSAAやSAJの「顔」として先頭に立つ渡辺に聞きました。
アナリストの価値を最大化するイベントをやろう
―SAJの始まりは、そもそもどういうものだったのでしょうか?
JSAAを立ち上げたのが2014年6月。その1年ほど前から競技の垣根を超えた連携の強化促進ということで種目間勉強会を開いて、スポーツアナリストが研さんすることはできていました。ただ、それは内輪の人間だけによるものでした。
集まりを続ける中で、アナリストのためだけではない、「アナリストは、こういうことにも役に立つ」と発信するような、業種業界を超えて外の人と交わることでアナリストの価値を最大化することにつながるようなイベントをやろう、という話が盛り上がりました。
構想はあるものの、自分たちで100名を超えるような規模のイベントを開いた経験もまったくなく、どうしようかと躊躇していたところ、SAPジャパン株式会社様が会場も提供して下さる形で支援いただき、2014年12月に「SAJ2014」を開催することができました。「スポーツアナリティクスの未来を拓く」をテーマに200名弱を集めてスタートを切りました。
―過去4回開催してきて、変化はどのようなところに感じますか?
始めた当初よりも、スポーツアナリストへの興味関心は高まっていると感じますし、取り上げるテーマの幅も広がっています。
海外で有名なMIT Sloan Sports Analytics Conferenceなどと違って、我々はアナリストら現場の人間が集まっての共創活動で、自らの手で可能性を広げていこうという集まりです。アナリストは普段、監督、コーチ、選手とのコミュニケーションがほとんどですが、SAJはそれ以外の人に出会える場です。
さらに、参加者の属性も多様になってきて、データサイエンティスト、テクノロジーを持ったベンチャー企業の方とか、参加者同士のシナジーも広がり、スポーツの成長産業化の一翼を担う機会にもなってきています。
規模が大きくなる中で、様々な苦労もありました。順風満帆とは言い切れませんが、常にチャレンジし、たくさんの方々の支援のおかげで前進し続けることができています。
去年と同じことをやるのは、後退を意味する
―今回に込める期待は?
2020年に向け、勝つためであれ、ビジネスを促進するためであれ、テクノロジーやデータを活用するアクションを起こすには、1年後のタイミングでは手遅れです。
「SAJ2019」は、2020年に向けて様々なことを仕掛ける上で、最後のタイミングになるでしょうし、その体制を整えるような機会になってくると思います。また、「SAJ2016」ですでに「BEYOND 2020」というテーマを掲げているように、我々は2020年以降に何を残すかも見据えてやってきています。
今回、2015年から使ってきた会場を変えたことは一つのチャレンジですし、スポーツ庁委託事業「イノベーションプラットフォーム構築事業」を受託し、多様な参加者が集うネットワーク促進の場として、更にスケールアップします。「アップデートし続ける。去年と同じことをやるのは、後退を意味する」と思って、内容も史上最高のSAJになるように準備しています。
(インタビュアー:早川忠宏)
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JSAAでは現役スポーツアナリストも多く集まる日本唯一のスポーツアナリティクスカンファレンス「SAJ2019」を2019年1月26日(土)に開催致します。ご興味ある方は是非こちらをチェック!