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2023.4.30

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【SAJ2022レポート】経験・知識の共有、進化導く原動力を語る 〜カイル・ボディとドライブライン・ベースボールの現在地〜

2023年5月20日(土)に開催する「SAJ2023-スポーツアナリティクスジャパン2023-」に先立ち、昨年行われたSAJ2022のセッションを振り返ります。今回はINNOVATION TRACKで行われた『経験・知識の共有、進化導く原動力を語る 〜カイル・ボディとドライブライン・ベースボールの現在地〜』の様子をお届けします。

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ボディ氏は、故障により選手としてのキャリアを断念した大学時代の経験から動作解析に興味を持ち、故障予防とパフォーマンス向上の両立を目指してドライブライン・ベースボールを立ち上げました。早い段階からデータサイエンスを駆使したアプローチを試みるも、当初、保守的な大リーグの世界では、なかなか受け入れられませんでした。しかし、大リーグにSTATCASTが導入されてデータ活用が一般的になると、ドライブライン・ベースボールがトレンドをリードすることになります。今回、早くからドライブライン・ベースボールに注目していた朝日大学の林卓史准教授と、ソフトバンクホークス GM付データ分析担当の齋藤周氏が、ボディ氏にそのノウハウについて聞きました。

アメリカ・ワシントン州ケントに位置するドライブライン・ベースボール

スポーツライターの丹羽政善氏のモデレートのもと、セッション冒頭にボデイ氏からパンデミック中に移転したドライブライン・ベースボールの新施設の紹介と、その取り組みについて説明がありました。移転前の約4倍の規模を誇る新施設には最新鋭の機材が揃い、選手毎のデータに基づいたトレーニングが行われています。近年、トレーニング内容の提案にはトレーナーだけではなく、AIが関わることが多くなっているそうです。

ドライブ・ラインベースボールの内部の様子

ドライブライン・ベースボールの取り組みについて、パネリストからボディ氏に様々な質問が投げかけられました。林氏からは、選手のデータリテラシー向上のための施策やピッチャーのコントロールの計測や改善方法、データと実際のパフォーマンスの差などについて質問がありました。また齋藤氏からは、ピッチャーの個性に合わせたトレーニング処方の方法やバッターのコンタクトの精度向上などについて質問がなされました。

ボディ氏とパネリストの議論は、データを活かすための組織論や選手へのコミュニケーション方法、データに基づいた心理面でのフォロー、そして今後のコーチの役割など、多岐にわたりました。データサイエンスを駆使して球界をリードするドライブライン・ベースボールの裏側が垣間見えた先進的な内容のセッションとなりました。

今年のSAJも充実しセッションを鋭意準備中です。合計で20近くのセッションをご用意する予定です。順次情報をアップデートしていきますので是非ご注目下さい!