日本スポーツアナリスト協会(JSAA)は2020年2月1日(土)にSAJ2020-スポーツアナリティクスジャパン2020-を開催します。JSAAの年次カンファレンスとして6回目を迎えるSAJ2020のテーマは「HACK THE DECADE」。10年後のスポーツ界、日本という国、社会を考えたときに今どうあるべきかを議論します。
そこで今回はJSAAの代表理事である渡辺啓太に、SAJ2020の魅力や「HACK THE DECADE」に込めた思いなどを語ってもらいました。
SAJ2019を振り返って
―まずはSAJ2019を振り返ってください。
昨年も最高動員を更新することができましたし、内容としてもスポーツ庁の事業と併催するというチャレンジをしました。SAJの目指している多様なバックグラウンドの人が一堂に介するという目的が達成できたと思っています。規模が大きくなっても、SAJの熱気が薄まらなかったことが良かったなと。基調講演を務めていただいた川淵三郎さん(日本サッカー協会相談役、日本トップリーグ連携機構会長)からいただいた言葉も嬉しかったですし、勇気をいただきました。
SAJ2020でのチャレンジは「スポーツ村からの脱却」
―SAJ2020ではどんな方向性にチャレンジし、進化を目指すのでしょうか。
新しいチャレンジとして、SAJ2020ではセッションだけではなく、『HiVE(蜂の巣)』というミートアップスペースを設けます。スポーツそのものが持つ可能性をさらに引き出していくためには、スポーツの中だけで何かをやるのではなく、その他の多様な産業との関わりがすごく重要です。スポーツ界を根幹としながらも、様々な業種とコラボレーションしていくことがスポーツの可能性、その先にはスポーツアナリティクスの可能性を引き伸ばしていってくれるのではないかと考えています。
スポーツ界だけでは2020年に最大の注目を浴びるけれど、そのあと注目度が落ちてしまう可能性はどうしてもある。なので、SAJ2020でのチャレンジは「スポーツ村からの脱却」ですね。10年先を見据えて羽ばたいていくために、大きく舵を切ります。
―「10年先を見据えて」という思いがテーマである「HACK THE DECADE」にも込められていますね。
我々はJSAAを立ち上げた2015年から「スポーツアナリストが2020年以降も職業として確立されていること、職域の拡大」を目指してきました。スポーツバブルが弾けた後でも、限られたリソースの中でもスポーツアナリストが必要だと言われ、代表チームやプロチームの中にスポーツアナリストという存在が根付いている。そんなことを目標として掲げてやってきました。SAJでは過去にもテーマとして「BEYOND2020(2016年)」や「Innovation in Action(2019年)」を掲げ、2020年のその先をずっと見続けてきました。SAJ2020はさらに先を見据えていくタイミングだと思います。
どの業界でもデータやテクノロジーの発展によって影響を受けることが絶対に起きている。それをスポーツに置き換えれば、スポーツの発展や進化へのヒントを得ることができると思っています。そういった変化をスポーツ界の“中”だけで勉強するのではなく、他の業種・業界からエッセンスをできるだけつかんでいく。どれも絶対に面白いと思います。
現状維持ではダメ
―SAJ2020に期待することは?
2020年はオリンピックイヤーになりますし、スポーツへの注目度が最大限に沸騰している時期です。まずは2020年を迎えたと言う高揚感を皆さんと一緒に共有したい。そしてSAJは集まる人たちがその先を見据えてスポーツ界の今後を考えたり、語り合う場にしたいです。
スポーツ界がこれから発展していくためには、絶対に現状維持ではダメなんです。2020年以降も常に発展して、常に120%を目指していかないといけない。そのためにはスポーツ村の中だけで考えていては行き止まりがきてしまう。なので多様な業種・業界の人たちが集まる場所が必要であり、そういう場所の価値はもっと高まっていくと思います。
(インタビュアー:豊田真大/スポーツナビ)
JSAAでは現役スポーツアナリストも多く集まる日本唯一のスポーツアナリティクスカンファレンス「SAJ2020」を2020年2月1日(土)に開催致します。ご興味ある方はこちらをチェック!