Pick Up Analysts

2023.5.7

チーム・ケルンでの分析とドイツ4部クラブでのプレー経験から見えるアナリスト像

第一線で活躍しているスポーツアナリストに対して、自らの仕事への思いや考えを語ってもらう連載企画『Pick Up Analyst』。第33回は、ケルン体育大学の大野嵩仁氏に聞きました。

昨年末、FIFAワールドカップカタール大会で日本代表と対戦したドイツ代表チームをデータ分析で支える「チーム・ケルン」のメンバーとして活動した大野氏。ケルン体育大学とドイツサッカー協会の共同プロジェクトであるこの「チーム・ケルン」の活動と哲学、そしてドイツ4部所属クラブでのプレー経験も含めた自身のキャリア感にも迫ります。

※このインタビューはJSAAコミュニティ「JSAA Lab」の定期オンラインMTG「JSAA Lounge」にて公開収録形式で実施しました。JSAA Labにご興味のある方はMEMBERSHIPから!

ドイツ代表チームを支える「チーム・ケルン」とは?

アナリストになった(分析に携わることになった)きっかけを教えてください

現在、僕が在学しているケルン体育大学とドイツサッカー協会が実施する「チーム・ケルン」と呼ばれる共同プロジェクトがあります。ドイツ代表サッカーチームを分析の立場から支えるプロジェクトです。分析する上でやはりマンパワーも必要なので、それをケルン体育大学の学生と、実際にドイツサッカーの現場でアナリストとして活躍している人たちを対象に募集がかかり、選抜されます。「チーム・ケルン」の選抜は、2年おきに実施されます。僕は2020年から22年、昨年のワールドカップのためのメンバーです。2年おきなので、その次の「チーム・ケルン」のメンバーは2024年の欧州選手権。そして次は2026年のワールドカップという形です。この「チーム・ケルン」という少し大きなチームでアナリストとしての勉強を2年間かけて行い、(昨年末の)ワールドカップが僕たちの本番という感じでした。アナリストという形でドイツ代表のサッカーチームにも関わり、僕は個人分析を担当していました。

ドイツ代表にとってワールドカップと欧州選手権という2つ主要大会に出場する全チームのチーム分析と個人分析をするので、マンパワーが必要になります。そのために2年間かけて勉強して、ドイツ代表が求める基準で分析について課題をこなしていきます。僕は個人分析担当で、主に日本代表とオランダ代表、ガーナ代表、ブラジル代表の分析を行いました。

僕たちのときはチームに63人いて、6グループに分かれました。その6グループに更に振り分けがあります。大体4カ国、5カ国くらいを担当します。その中でチーム分析は攻撃を分析する人と守備を分析する人で2人。個人分析を3人程度で行います。各グループにはキャプテンがいて指示を出します。僕であれば、やはり日本語の記事なども読めるので、日本代表の個人分析を中心にやってくれと頼まれました。仕事をどう振り分けるかはキャプテン次第ではありますね。

 

アナリストとして一番やりがいを感じる瞬間は?

やりがいを感じた瞬間は、自分の分析したことが、実際のピッチ上で現象として起きたときに、自分の中で「そうだよね」と答え合わせが出来たときですね。

具体的に言うと、僕はワールドカップの時、日本代表の個人分析を担当したのですが、伊東純也選手と酒井宏樹選手も僕の担当する選手でした。日本国内のテレビ番組でも取り上げていただいたのですが、そこでは酒井選手の個人分析で、比較的自分のポジションを捨てて前のボールにアタックする傾向があるという部分だけが切り取られ、少しミスリードがありました。実際には、伊東選手が同サイドでボールがあるときには付いていく。一方でボールが逆サイドにあるときには、伊東選手は個人分析で見ると、自分のマークが自身より高い位置を取られても、捨てる傾向にあったんです。前半は特にそういうシーンが見られました。その現象が起きて、最初にPKに繋がったシーンは、確かに酒井選手が前に食いつくのもあったんですけど、伊東選手のマーク(サイドバック)が背後を取ってるんです、完全フリーで。その二つがうまく組み合わさって、背後を取ってPKになったんです。

僕の個人分析を使われたか、使われていないかは別として、ドイツ代表のサッカーと照らし合わせたときに、チャンスになる可能性があると書いていた2つだったので、そこにはやりがいを感じました。ただ、結果的にドイツは負けてしまいましたし、思うことは色々あったんですけど。でもやりがいを感じる瞬間としては、実際にピッチ上でそういう現象が、答え合わせが合っていたときと言いますか、アナリスト側の目線だと。そういうときは「やっててよかった」と言うか、楽しい感情が出てくるという感じですかね。

それ以外にも、ボールは出なかったけど、その現象が起きているシーン。ボールが出ていればビッグチャンスになってたよね、というシーンが複数回見られたのは良かったです。まぁ、複雑でしたけどね。日本代表が決めたら決めたで嬉しいですし(笑)。

 

−チーム分析に対しての個人分析

チーム分析はまた別なのですが、個人分析って基本的には間違えないと思うんです。なぜかと言うと、対象となる選手たちがそれまで小さい時から積み重ねてきたプレーの癖などを見つける作業なので、フォーメーションが変わろうが、基本的に個人分析したことはズレない。ただ、チーム分析をした人に話を聞くと、ほとんど見たことない現象が(日本戦の)後半には起きていたと。フォーメーションしかり、プレッシングしかり。だから分析って難しいよね、とは思いました。

僕は個人分析だったので、後半になってもその特定の選手の特徴は、そのままこれは危険だよっていうシーンは危険だよってなってましたし。僕たちは、起きている現象をそのまま伝えるので「こう来るだろうから、こうした方が良いんじゃないか?」とは書けないんです。主観的にならず、現象をそのまま書くことを求められるので。そんな中で、後半の失点シーンは、あそこまで(三苫選手の縦突破に対して)縦切りして、ペナルティエリア前で中にドリブルされていって、更に南野選手の強みが上手く合わさって、背後を取られてこぼれ球を入れられるという結果になった。それもあったので、色々感じることはありました。「もっとこうすれば良かったのかな」というのはありました。

「分析の内容は短い生き物のようなもの」- デッドラインを1秒でも過ぎたら即終了

チーム・ケルンの仲間たちと大野氏(左)

 

これまでのアナリストの仕事で、一番大変だったことは?

正直、自分がやりたいと思ってやっていることだったので、大変とは思わなかったですね。強いて言うならば情報の鮮度でしょうか。どんなにいい情報でも、例えば次の相手のすごく良いシーンを引き抜いたとしても、それが8試合前の情報とかだったらあまり意味はないだろうし、常にタイムリーなものである必要があると思います。また、(アナリストに求められる)情報はデッドラインが厳しいじゃないですか。どんなにいい内容でも試合直前に渡されても意味がないですし、渡された内容を監督が要らないと言ったらそこまで。でも、そう言うものだと思っています。

例えばワールドカップの話だと、町野選手が追加招集で入ったときに「町野選手の個人分析明日までにいける?」と言われて、「わかりました」以外の返事はないですよね(笑)。追加招集で試合に出る可能性は低いけれども、120%の出来のものを出さなきゃいけないと思って取り組みました。

分析の内容って、短い生き物みたいな感じだと思っています。チームケルンも毎月の課題があったんですけど、デッドラインを1秒でも過ぎたものはその時点で即終了だったんです。先生も「それではもう役に立たないから」と。本当に「Deadline」なんだなという感じでした。当たり前なのですが、出来るだけ素早く、質の高いものを提供しなければならない。大変と言うよりは、集中力も使いますし、疲弊したという感じですかね。時間に対してのプレッシャーは大変だったかと言われれば大変だったと言えるものかもしれないですね。

 

担当種目の分析に欠かせない情報やツールは?

チーム・ケルンで僕の立場ではワイスカウト(Wyscout)というプラットフォームを使っていました。世界中のかなりの代表チーム、クラブチーム、各選手のアクションが切り取られているプラットフォームで、サッカーをやっている方ならご存知かと思います。僕たちチーム・ケルンの人たちはワイスカウトが使えるようになっていて、代表チームでは監督やコーチへのフィードバックには、SAPのソフトを使っていたようです。

チーム・ケルンは特殊だと思うんです。通常のチームでは、アナリストはいても数名だと思います。本当のトップレベルであればもっと多いと思いますが、僕たちチーム・ケルンは2年に1度の大会のためのプロジェクトだったので、ワイスカウトでフルマッチもとれるし、個人の映像もとれるワイスカウトを共有していました。

ワイスカウトにはデータも入っていますが、パーセンテージなどは相手によって左右されるものなので、見ませんでした。例えば、対戦相手がマルタなど小国の場合の攻撃とイタリアに対しての攻撃を見るとき、1対1の状況では同じ1対1でもパーセンテージが大きく異なるので、相手の分析という意味でのパーセンテージは使えません。試合後に、自分たちの理想とする基準に対しての評価という意味では、良い使い方だなと思うのですが、試合前の準備として相手を分析する意味では、そのデータはあまり重視していませんでした。

アナリストとは「選手の気持ちを楽にして、勝つ可能性を1%でも上げることが出来る人」

実際にクラブに所属して得られることも多い

 

自身が考える「スポーツアナリスト」の定義は?

チーム分析であれば「1%でもチームが勝つ可能性を上げることが出来る人」がアナリストなのではないかと思います。用意した分析のうち、1ページ分使うか、2ページ分使うかは監督が決めることで、なんなら「あなたの分析は要らないよ」と言われたら終わりなのですが、その2ページがもしかしたら、チームとして相手の強みであるセットプレーを防げる要因になったかもしれないし、相手のキックオフのバリエーションをこっちが分析通りで守れたのかもしれない。そういうほんの数%の貢献度しかないのかもしれないですが、その数%が結構試合を分けると思うので、そういう意味では勝つ可能性を1%でも上げるのがアナリストだと思っています。

個人分析の話だと、今回チーム・ケルンの活動を通して、1%でも選手の気持ちが楽になるようなサポートができればいいなと思いました。対戦相手がどんな選手かも分からなくて、重圧のある中で、情報が欲しい選手と、ない方が良いという選手。それは選手次第なので、選手が選ぶことだと思います。僕自身は試合前結構ナーバスになるタイプなので、相手の情報を結構欲しいタイプ。その相手の情報が頭に少しあるだけで、試合に入るのもちょっと気持ちが楽になるというか、頭でシミュレーションが出来ている状態というか。そういうことを、裏方ですけど、本当に少しでも選手の気持ちが楽になったり、チームの可能性を上げられることがスポーツアナリストの定義になるのではないかと思います。

チーム・ケルンのメンバーもこのプロジェクトに関わっていることで、自分たちが「アナリスト」であるという意識は持っていると思います。僕たちもドイツ語ですけど「アナリスト」という言葉を頻繁に使いますし。チーム・ケルン内の講義でも使われます。代表チームには3名のアナリストがいるのですが、その人たちのサポートというイメージですね。

 

自分が他競技のアナリストをするとしたら、どんなスポーツか?

僕自身、サッカー以外の競技は素人なので「アナリストをしたい」というよりは興味がある競技で言うとバスケ、ラグビー、フットサルなどはスポーツとしてすごく興味があります。また、音楽とかは全く分からないのですが、最近そういう芸術的なことからスポーツに活かせることっていっぱいあるんだな、という気づきもあり、興味があることですかね。

競技的に興味があるのは、やはりサッカーに活かせることが多いと思っています。普段の生活から「これってサッカーだったらこうなんじゃないか?」とか、サッカーに繋がるアイデアを探す癖があるんです。例えば、フットサルのハイライト映像を見たときに、ゴールの枠外のエリアに速いシュートを打って、そこにもう一人の選手がいて押し込むシーンを何回か見たことがあります。でも、それってサッカーにも使えるんじゃないかと。これは大学で学んだことなのですが、予測の範囲外のことが起こると、認知を間違えて、判断を間違える可能性が高まります。キーパーとの1対1のシーンで、キーパーはゴールの枠外に打たれたボールに対しては反応が遅れるのではないかという仮定が自分の中ではあります。これは、フットサルでは起きている現象で、戦術としてわかっているのにやられるとほとんど反応できない。それをサッカーでも応用できるんじゃないかなと。そういうことが例えばバスケのスクリーンなどは既にサッカーにも使われていますが、使えることがいっぱいあるのではないかという興味がありますね。

芸術的なことでいうと、運が良いことに僕の周りには、ケルンの音楽大学で勉強している友人や、幼なじみがウィーンの音楽大学にいて、そういう人から音楽について見たり聞いたりすることがあります。先日、友人のピアノのコンサートを見に行きました。小さなコンサートなのですが、観客に伝えるための表情だったり、身体の動かし方が気になったんです。終わった後、その友人と話に行くと、先生が歩み寄って「入場の仕方だけど、もう少しゆっくり歩いた方が良いんじゃない」とか、そういうところからもう表現が始まっているんです。

僕自身は将来監督になりたいので、人と話す際に、間とか、話の強弱とか、声のトーンとか、そういう部分は芸術から盗めるものがあるのではないかなと思っています。少し前に記事で読んだのですが、バイエルン・ミュンヘンのウパメカノ選手が大観衆の中でも声が通るようにオペラ歌手に発声の仕方を学んでいたり。何かを極めている人たちから、それが芸術なのか、スポーツなのか、別の分野なのか分からないですけど、そういう人たちの行動とか発言とか、考え方とかは、すごい学ぶことが多いなというのが最近思っていることです。

ドイツで学業とプロサッカー選手の二刀流に挑む理由

サッカー選手(センターバック)としてピッチに立つ大野氏

 

アナリストになってなければ、何をしていた?選手もされている中でどんなキャリアを考えている?

一つの目標としてJリーグで監督をやりたいと考えています。僕はジュニアからユースまでは柏レイソルのアカデミーに所属していたこともあり、もっと言うなら柏レイソルで監督がやりたいと思っています。僕自身アカデミーにいたときに、人としてもコーチとしても凄く尊敬できる方々に沢山出会えたのですが、その中でも凄いと思う方がいます。スペインで研鑽を積まれ日本に戻られているのですが、その方やプロ選手経験はないけれど、指導者として沢山学んで経験を積んだ凄い方たちが、Jリーグで監督をやっているケースは少ないのが現状だと思います。もちろんそのような方たちがプロの世界で監督を目指しているかどうかも影響していると思いますが、元プロ選手だった方が監督になることが多いのも事実だと思います。僕自身、これ自体は理解できる部分もあると思っています。なぜかというと、僕もトップチームのロッカールームの雰囲気は知らないですし、口で言うのと中でやるのは本当に違うからです。今、実際に自分自身がプレーヤーと学業を両立してやっていてもそれは思います。

僕がプロの監督になりたいと思ったときにドイツに行くことを決意したのですが、その理由はチームケルンもしかり、ケルン体育大学しかり。サッカーも諦めきれず、大学に行きながらプロサッカー選手をやってる人もいるということも知りました。ドイツでは3 部までが完全なプロで、4部から二部練習があったり、スタジアムで試合が出来たりと、ちょっとプロフェッショナルなリーグになります。僕は半年だけ4部にいたのですが、在籍したクラブは1試合の観客が500人程度でしたが、同じリーグのプロクラブは1試合平均9000人くらい動員する、本当にプロフェッショナルなリーグでした。

これまでにドイツで大学に行った人もいるし、4部でサッカーをやってる人もいましたが、両方やっている人はいないなと思ってチャレンジしました。果たしてこれが僕の目標に近づいてるのか近づいてないのかは分からないですが、Jリーガーやブンデスリーガーにはなれないですけど、自分の出来る最高レベルでそのロッカールームの雰囲気だったり、ピッチ上の対話だったり、どう選手が思っているのかというのを、選手目線でもわかっておかないと将来苦しい局面が来るだろうなと思ってドイツに来たのが一つです。

あとは、サッカーで成り上がりたい人なんて無数にいて、無名の僕が超運よくJリーグに入れたとしても、おそらく下部の本当に予算が厳しいクラブとなったときに、スタッフを雇用する予算も限られている中で、自分でやれる幅を増やしておかないとダメだろうなと思いました。将来の目標としても、自分で分析をやったり、自分で通訳をやったり出来る。そういういろんな能力をつけたかったのもドイツに来た理由です。

 

今後の目標、夢は何?

大きな目標の一つはJリーグの監督ですね。日本に、やっぱり柏レイソルに帰れたら嬉しいですけど、レイソルじゃなくてももちろんJリーグで監督をしたいというのが目標の一つです。大きな夢はもうちょっとあるのですが、今はまず目標を達成できるように頑張りたいと思っています。

夢についてはイメージはまだぼんやりですが、生きている間に日本代表がワールドカップ優勝して欲しいじゃないですか。そこにどういう形なのか分からないですが、関われたら嬉しいですね。そして、ドイツに来ると、正直日本人てすっごい舐められるんですよ。サッカーをやっていても。なので、ヨーロッパのクラブで、日本人が監督として活躍できれば、ヨーロッパでの対応ももっと変わるのではないかと思っています。既に選手の方たちがすごく頑張ってくれているので、それだけでだいぶ変わってきてはいるのですが、それでもやっぱり舐められるし、そういうことを実際経験して、悔しい思いもあります。これを変えていけたらなと思うので、最終的にヨーロッパで監督というのは、これはもう本当に夢です。標というよりは。ワールドカップ優勝は、本当に、みんなの夢なんじゃないですかね。そういうことを形にできればとは思います。

大野氏はケルン体育大学に在学しながら現在もドイツ5部FC Hennef 05でプレーしている

 

アナリストに必要な資質は?

やる気と体力。正直なところ、気持ちの部分が何をやるにも大事だなと思っています。アナリストは客観的なデータを感情を抜きにして提供する立場なのでちょっと話は逸れてしまいますが、僕は将来監督をやりたいので、やはり気持ちがないと、熱いものがないと、それが見える見えないではなくて、伝わるものだと思っています。また大学の話に戻りますが、サッカーコースでは本当に色々学ぶんです。理論を体系的に学んだりするのですが、最後の授業で教授が「君たちに理論とか、コロナ禍のトレーニングとか、プレシーズンのプランニングだとか、多くのことを教えたけど、監督やコーチになりたいのなら、サッカーは結局人がやるものだから、選手の心を掴めないとダメだぞ。」と言って終わったんです(笑)。でも、結局本当にそうだなと思っていて、人がやるスポーツだから、AIが監督はできないですし、AIが監督をやってもおそらく心動かされないですし。人としてそういう部分がないと、アナリストとしても、何やるにしても、そういう気持ちとかが大事で、それをキープするには体力が必要だなと思います。

 

どうしたらスポーツアナリストになれるのか?どうしたらチームケルンに入れるのか?

(チームケルンへの)応募者は年々増えているのですが、僕の時は130人くらい受けて63人受かったので倍率としては約2倍でした。選抜試験の前に全員が受ける3回の講義があって、毎回講義の後に厳密な締切期限がある課題を出されました。その講義で学んだことを課題として提出し、最終的には映像を見て「この映像は講義で習ったどの場所に分類される?」とか、そういったテストをパスすると入れるという形でした。

講義については、ドイツサッカー協会の人も来るのですが、ケルン体育大学の教授でチームケルンを担当する先生がいて、その先生が基本的には講義をするという感じです。

(実現するためには)行動力。行動力しかないですね。あとはもうやる気ですね。

 

(インタビュアー:小倉 大地雄)

 

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アナリストプロフィール

アナリスト

大野 嵩仁 氏

ケルン体育大学

1995年生まれ。高校時代は柏レイソルユースに所属。城西国際大学を卒業後、渡独し、ケルン体育大学で学ぶ傍らサッカー選手としてもドイツ4部Regionalliga WestのSC Wiedenbrückなどでプレーし、現在はドイツ5部FC Hennef 05でプレー。2020年より、ケルン体育大学とドイツサッカー協会の共同プロジェクト「チームケルン」に参画。2022年FIFAワールドカップカタール大会ではドイツ代表チームを支える分析チームの一員として、データ分析を行った。

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